ハード、プログレが成熟、グラムやパブ・ロックも注目を集める中、パンク、ニュー・ウェイヴの勃興で激変した英国シーン──その動きを時系列で捉えた新定番的アルバム・ガイド
1970年代に入ったイギリスのポピュラー音楽シーンでは、60年代後半から進化を始めたハード・ロックやプログレッシヴ・ロックが音楽的な頂点を極め、その一方で中性的な衣装やメイキャップで華麗に登場したグラム・ロック、酒場を主な活動の場としてきたパブ・ロックが台頭。またビートルズ解散後のメンバーに代表されるソロ・アーティストや、伝統のアップデートに挑み続けたフォーク系ミュージシャンも、活発に活動していました。ところが、70年代半ばに突如として姿を現わしたパンク、ポストパンク勢の台頭により、英国の音楽地図は大きく塗り替えられることになります。そのような激動の時代に生まれた作品群に、当時をリアルタイムで体験した大鷹俊一が、インターネットが普及した現代ならではの視点を当てて200枚強のアルバムをチョイス。それらを時間軸に沿った流れで読むことによって時代のダイナミズムが実感できる、必携の内容です。
- ◆ARTIST PICKUP
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変革の中心となり、現代にまで多大な影響を及ぼしている最重要アーティスト21組
ザ・ローリング・ストーンズ、レッド・ツェッペリン、ブラック・サバス、ジョン・レノン/プラスティック・オノ・バンド、ザ・フー、デイヴィッド・ボウイ、ロキシー・ミュージック、キング・クリムゾン、ピンク・フロイド、イエス、ポール・マッカートニー&ウィングス、クイーン、ロバート・ワイアット、ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ、ドクター・フィールグッド、セックス・ピストルズ、ザ・クラッシュ、エルヴィス・コステロ、ザ・ジャム、パブリック・イメージ・リミテッド、スロッビング・グリッスル
- ◆1970-1972
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アルバム向きの緻密な音楽性が評価される一方、異形のロック・アイコンが人気を集める
シド・バレット、ソフト・マシーン、デレク&ザ・ドミノス、ジョージ・ハリスン、キャラヴァン、Tレックス、エマーソン・レイク&パーマー、フェイシズ、トラフィック、ディープ・パープルほか
- ◆1973-1975
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隆盛を極めたプログレとグラムの水面下で、変革への狼煙がくすぶり始める
マイク・オールドフィールド、ホークウィンド、ヘンリー・カウ、エルトン・ジョン、エリック・クラプトン、アヴェレイジ・ホワイト・バンド、ELO、ヴァン・モリスン、ジェネシス、10ccほか
- ◆1976-1978
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パブ・ロックの人気が高まる中、パンクが産声を上げ、移民2世らによるレゲエも台頭
シン・リジー、ジェフ・ベック、ザ・ストラングラーズ、イアン・デューリー、ワイアー、モーターヘッド、ジャパン、ザ・キンクス、マトゥンビ、ザ・ポリスほか
- ◆1979
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ミュージシャンの世代交代が加速、パンク勢も淘汰が進み前人未到のサウンドへ
リントン・クウェシ・ジョンソン、ザ・ポップ・グループ、ニック・ロウ、ザ・キュアー、ジョイ・ディヴィジョン、XTC、ギャング・オブ・フォー、ディス・ヒート、ザ・スペシャルズ、ザ・レイン・コーツほか
アルバム・セレクション・シリーズ70年代ブリティッシュ・ロック
大鷹俊一(著)
定価1650円(本体1500円)
四六判192ページ
2025年2月1日発行
ミュージック・マガジン2月増刊号
[雑誌08480-2]
1月17日発売
- <もくじ>
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- introduction 黄金時代を迎えたイギリスのロックに突如として訪れた音楽的な革命
- ARTIST PICKUP
- ザ・ローリング・ストーンズ
- レッド・ツェッペリン
- ブラック・サバス
- ジョン・レノン/プラスティック・オノ・バンド
- ザ・フー
- デイヴィッド・ボウイ
- ロキシー・ミュージック
- キング・クリムゾン
- ピンク・フロイド
- イエス
- ポール・マッカートニー&ウィングス
- クイーン
- ロバート・ワイアット
- ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ
- ドクター・フィールグッド
- セックス・ピストルズ
- ザ・クラッシュ
- エルヴィス・コステロ
- ザ・ジャム
- パブリック・イメージ・リミテッド
- スロッビング・グリッスル
- 1970-1972
- 1973-1975
- 1976-1978
- 1979
- コラム
- 70年代の幕開けを華麗に彩ったグラム・ロック
- 偶然ではなく必然が導いたプログレ黄金時代
- 多くの若手に飛躍の機会を与えたヴァージンの功績
- 一気に拡大したパンク・ムーヴメントの光と影
- インディ・レーベルと共に発展を遂げたポストパンク
- ジャケット・アートに革新をもたらしたヒプノシス
- 大きく変化したプロデューサーの立ち位置
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