ミュージック・マガジンの本
ポピュラー音楽の基礎理論

ポピュラー音楽の基礎理論

ピーター・ファン=デル=マーヴェ(著)
中村とうよう(訳)

定価3675円(本体3500円)
A5判400ページ
1999年6月20日発行
[ISBN4-943959-16-4]
品切れ


ポピュラー音楽の成り立ちを理論的に解明した初めての本

古典音楽、民俗音楽のリズム、ハーモニー、歌詞などがどう変化発展してポピュラー音楽を作り出したか、多くの実例で解明。特に、ヨーロッパとアフリカの二つの流れをブルースが統合した、という意表をつく着想で、ポピュラー音楽の成立を鮮やかに描き上げる。

<もくじ>
  • まえがき
  • 訳者まえがき
  • イントロダクション
    • この本の研究対象
    • 用語、用語、用語・・・
  • 譜例についてのメモ
  • 第I部 歴史的背景
  • I-A ヨーロッパと中近東
    • 第1章 古代から中世へ
      古代の音楽
      中世のアラブ音楽
    • 第2章 ヨーロッパ音楽
      ハイブラウとロウブラウ
      クラシックとポピュラーの分離
    • 第3章 イギリスの民俗音楽
      民俗音楽の特徴
      スタンザの形式
      地域的な違い
  • I-B アフリカ
    • 第4章 アフリカから伝わったもの
      アメリカとのつながり
      アフロ=アラブ様式
      純アフリカ様式
    • 第5章 アフリカ音楽の原理
      音楽の目的
      音楽と身体運動
      話し言葉、歌、楽器の音
      末尾偏重と末尾反復
      対話の感覚
      音の位置 対 音の長さ
  • I-C 北アメリカ
    • 第6章 白人と呼ばれる人々
      南部の白人たち
      スコッチ=アイリッシュ
      カトリック=アイリッシュ
      フランス系、スペイン系ほか
    • 第7章 黒人と呼ばれる人々
      黒人奴隷の制度
      自由身分の黒人
    • 第8章 楽器による音楽
      黒人の楽器奏者
      アフリカの影響の残存
    • 第9章 ヴォーカルによる音楽
      ワークソング
      シー・シャンティ(船乗りの歌)
      スピリチュアル
      ダンス・ソング
      バラッドとブルース
      アフリカ音楽とブルースをつなぐもの
  • 第II部 理論的基礎
    • 第10章 マトリクス(鋳型)
      マトリクスによる分析
      マトリクスの主観性
      マトリクスの生命
      マトリクスの組み合わせ
      マトリクスと規則
    • 第11章 調性と旋法
      「長調・短調」の再検討
      トニックと音の枠組みの移高
      シーリング・ノートとフロア・ノート
      強調の度合い
    • 第12章 全体の構成
    • 第13章 ビート
  • 第III部 ブルース
  • III-A ブルースの独自性
    • 第14章 アメリカ音楽でのブルースの位置付け
    • 第15章 ブルース旋法と12小節形式
      ブルー・ノート
      メロディの不協和
      3度の階段
      ブルーな5度
      ブルーな7度と6度
      ブルース・ミニ旋法
      12小節形式
  • III-B ブルースの起源──アフリカ
    • 第16章 アフリカのブルース旋法
      振り子3度
      焦点の対比
      三和音旋法
      アラブの影響
      ほめ歌とサーモン
      先細りパタンと12小節ブルース
      まとめ
    • 第17章 トーキング・ブルース
    • 第18章 ブルースの伴奏
      反復と対話
      下降ストレイン
    • 第19章 アフロ=アメリカ音楽のリズム
      西アフリカでの背景
      クロス・リズム
      アフリカのリズムと米国のリズム
      まとめ
  • III-C ブルースの起源──イギリス
    • 第20章 イギリスのブルース旋法
      ブルーな3度
      ブルーな7度
      続・3度の階段
    • 第21章 「フランキー」などの12小節ブルース
      「フランキー/綿虫食い」の一族
      プロト(原)=ロックンロール
      ポリ-とラザラス
      ジョン・ヘンリーと10小節ブルース
      まとめ
  • III-D ブルース・ハーモニー
    • 第22章 グレゴリ-・ウォーカーの歴史
      グレゴリ-・ウォーカーの誕生
      グレゴリ-・ウォーカーと12小節ブルース
      8小節パタンのいくつかの例
    • 第23章 そのほかの初期のハーモニー
      振り子ハーモニーとダブル・トニック
      パサメッゾ・アンティーコとモデルノ
      コードとレヴェル
      レヴェルとシフト
      ブギウギの低音パタン
  • III-E 12小節ブルースの謎
    • 第24章 ブルースの奇妙な勝利
    • 第25章 12小節形式とブルースの本質
      なぜ12小節か
      なぜブルースか
      短い形式における「完全さ」
      ブルースへのエピローグ
  • 第IV部 パーラー音楽とラグタイム
    • 第26章 パーラー音楽の旋法
      サー・ヒューバート・パリーの怒り
      パーラー旋法の起こり
      メロディとハーモニーの仲たがい
      擬フリギア旋法と「悪魔払いの祈り」
      パーラー旋法と民俗音楽
      パーラー旋法とクラシック音楽
    • 第27章 パーラー音楽のハーモニー
      古典派、ロマン派のハーモニー様式
      ドミナント・キーへの逸脱
      旋法と転調
      シークェンス
      アルペッジオ
      パーラーの終止形
      装飾的半音階主義
      トニック・セヴンス
    • 第28章 パーラー音楽のリズム
      パーラー・リズムの特徴
      32小節ソング
      クラシックのシンコペイション
    • 第29章 ラグタイム
      ジグからラグへ
      ラグタイムとブルース
    • 最後に思うこと
    • 訳者あとがき
    • 事項名・人名索引
    • 曲名索引
    • 譜例リスト
    • 引用文献
    • 用語集
    • 原注
 

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